「俄然おもしろくなってきた東京都知事選、いずれ劣らぬ美女2人」

 しばらくの間、多忙のため、当エッセイをお休みさせていただいていたが、「書け」というお勧めもあり再開することにした。
 よろしくお願いいたします。
 体調も、木の芽時は良くないので、不定期になるかもしれないが、お許しいただきたい。
 以前1度書いた気がするが、東京都民1,000万人以上いる中で、昭和20年代から、地方に行かず、ズーッと東京都に住み続けている人は4%しかいないそうである。
 筆者はその4%のうちの1人である。
 都内で転居したことは何度かあるが、都民でなくなったことはない。
 都に根が生えている。
 だから、都知事選挙は欠かさず投票に行ってきた。
 筆者が関心を強くもったのは、昭和42年から3期都知事を努められた美濃部亮吉さんのころからである。
 何しろ彼は学者としても有名であったから、根っからの政治家よりは身近に感じたのだ。
 当時、筆者は都下の大団地に住んでいて、美濃部さんがその団地にいらっしゃるというので、団地の中の公園のような演説会場に子供連れで出かけた。
 美濃部さんはよく見るお写真の通り、にこやかな方であったが、筆者は少々違和感をもったのである。大学者のお父様が有名な『天皇機関説』の美濃部達吉さんである。われわれ庶民とは雰囲気まで違った。
 今の言葉でいえば、「上から目線」が染みついた人といおうか。
 幼児だった息子は、わが家の中で「美濃部都知事、美濃部都知事」と繰り返すので、いっちょ前に話題に入ろうとして、「みのべとちじ」が言いにくくて舌が回らない。
 それ以来、彼は「みのべとちじ」変じて「美濃部いちぢく」と言うようになったのである(笑)。可愛かった。
 その次の鈴木俊一さんは飛ばして、青島幸男さん。
 彼は以前からテレビマンとして超有名人であったから、筆者はまんざら関係がないことはなかった。
 筆者が独身でメディア関係の銀座のOLだった時、彼のインタビューを命じられた。
 青島さんはご多忙で、なんか新宿かどこかで仕事をしているから来いと言われ、指定の場所に出かけた。テレビのロケだったのか、彼は高級車の中から出てきた。
 内容はすっかり忘れてしまったのだが、あの、どちらかと言えば3枚目のようなお顔で挨拶されたが、兎に角、凄く仕立てのいい背広を着ていらっしゃったのだけが印象に残っている。『青島だア』とテレビの中で常にふざけていた青島さんとは大違い。流石に早稲田大学出身のインテリだと思った。
 ただ、青島さんと言えば、いつも全くそっくりの笑顔の奥様と娘さんの写真を思い出す。
 次の石原慎太郎さんは筆者が最も苦手なタイプの偉丈夫であったから、パス。ただし、平成12年の12月の12日に開通したわが家に近い地下鉄線を、「大江戸線でいいじゃないか」と命名して、無味乾燥な「何号線」にしなかったのは、石原都知事の大功績であると思っていて、感謝している。
 その次の猪瀬直樹さんとは、某大企業の勉強会でご一緒だったから、お話したことはある。雑談で、「都税が高くて困る」と言ったら、「収入が多いからでしょ」と一蹴された。全然多くなかったのに。
 その次の舛添要一さんを記憶しているのは、彼が泣いた場面である。オリンピックの開催都市の長として、閉会式で国旗を振りたかったのであろう、「頼むからやらせてくれ」と言うように泣かれた場面はみっともなかった。今はどうしていらっしゃるのであろうか。
 さて、いよいよ、小池百合子さんの番である。
 わが家の主は小池さんのことを、いつも「桜台のオバちゃん」と呼んでいた。
 わが家も昔、桜台に住んでいたからである。
 この前の選挙の時、筆者が西武池袋線のX駅近くで買い物をしていたら、なんか聞いたことのある声がする。ひょっと見ると、筆者の3メートルぐらい前に2、3人の取り巻きと一緒に握手している小池さんがいた。平気で彼らの前に回って握手でもすればいいのに、筆者の方が恥ずかしくなって、回れ右して帰ってしまったのだ。
 案外彼女は小柄な方だった。
 選挙の時にずっとくっついて回っていた、弁護士にして元国会議員だった若狭勝さんが東京地検特捜部の副部長だった時に、取り調べられた話は昔、『新潮45』に書いたから略す。
 さて、いよいよ、本日のメインテーマである。
 蓮舫さんが都知事選に立候補なさったので、俄然面白くなった今度の選挙。
 小池百合子さんも蓮舫さんも、いずれ劣らぬインテリ美人である。
 揃って元テレビキャスター。絵に描いたような構図である(ただし、小池さんはまだ出馬表明はしていらっしゃらない)。
 はっきり言って、筆者は女性政治家に厳しいのだが、このお2人には、あまり「あそこが嫌あね」という感情がない。
 自民党国会議員のI氏、O氏、T氏らはみんなノーサンキューである。
 履歴詐称かとか、2重国籍だとか、これから非難合戦が始まろうが、支援者たちの暴露合戦が始まろうが、筆者は自分なりの座標軸で判断するつもりである。
 何より、美人2人の眺めがよろしい。
 シミだらけのオジサン候補よりよほど眺めがいい、などと言うと、「女によるナントカハラ」だとやられるので、口にチャック。
 これから出てくる政策をしっかり読み込んで、投票に行く。
 百合子さんも蓮舫さんも、どちらも好きだから困るが。盛り上がることだけは間違いないと思う、楽しみである(2024.5.31.)。
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