「球春が来たが、日本のプロ野球は、目下、大リーグに比べて冷や飯を食らっている」

 テレビは視聴率を稼ぐ方を優遇する。
 それは仕方がない。視聴率を稼げば、即、お金が儲かるからである。
 そんなことは昔からわかっているが、近頃は余りにも偏っているのではないか。
 プロ野球のニュースである。
 朝から晩まで、大リーグ、大リーグで、スポーツのニュースから、ワイドショーから、主婦向けの夕方のニュースまで、スポーツのニュースには、決まって大リーグ・ドジャースのニュースばかりが取り上げられる。
 加えて大谷翔平さんに関しては、妊娠中の奥様が出ていらしたとか、ペットのワンちゃんがボールを咥えて走ったとか、他の選手の家族などあまり登場しないのに特別扱い。
 テレビばかりでない。
 大新聞のスポーツ欄も、こうである。(2月12日毎日新聞朝刊)
 『「二刀流」再び 大谷始動』
 でっかい見出しにでっかい写真つき。大谷翔平さんの長い太腿丸出しの大股開き!
 サブ見出しは『二刀流異例・前例気にせず』だ。
 嫌でも気にしてしまう。50×50のスターだからか。
 大谷さんと山本さんと佐々木さんの3人揃えば、気が狂ったようにカメラが追いかける。
 大リーグといっても、筆者が好きなダルビッシュ有さんや、吉田正尚さんらのニュースはあまり多くない。
 ましてや、千賀滉大さん、鈴木誠也さん、藤波晋太郎さん、前田健太さん、菊池雄星さん、などなど、いっぱいいるのに、彼らは怪我した時ぐらいで、あまり取り上げられずに、大谷さんばっかり。
  新聞でも大谷さんのでかい見出しに比べて、ちっちゃい見出しで、『東京開幕シリーズ今永先発へ』だって。
 キャッチボールをしている大谷さんの大股開きよりも、開幕先発の方が重要ニュースだと思うけれど。筆者は決して大谷さんが嫌いなのではないが、余りにも出過ぎると辟易するし、ペットのデコピンまでビップ扱いはおかしいと思う。
 要するに筆者はキャンプインニュースでも、スポーツニュースらしく専門的な報道の仕方をしてもらいたいのである。
 今のベタベタは、まるで芸能ネタのゴシップみたいだ。
 紅白戦は既にやっているのだから、大リーグよりも国内プロ野球の試合ネタをもっと放送してもらいたい。
 大リーグのメンバーにはまだなれない桐朋高校卒の、18歳の森井翔太郎くんが、日本のプロ野球に入らずに、いきなりあちらの二刀流としてアスレチックの若手起用にはまったなんてニュースより、もっと日本のプロ野球を報道しろ。
 さて、ここからはわが阪神タイガースである。
 今年は若くてハンサムな藤川球児さんが監督に就任した。ニコニコして明るい監督である。岡田彰布さんの、苦虫を噛みつぶしたような仏頂面を見慣れてきたので、藤川さんの明るさが際立つのだ。
 先日、某局のスポーツニュースで、選手たちの練習を彼が見ていたが、終始ニコニコ。
 テレビカメラが入っていたからの外面だったのか、あるいは、若い選手には辛口よりも甘口の方がいいと判断してのことか。
 「火の玉ストレート」を操っていた時の藤川さんは、ニコリともしなかった。
 特に、阪神のJFK時代のこと、抑えの3人は完璧であった。
 Jがジェフ・ウィリアムス。
 Fが藤川球児。
 Kは久保田智之。
 1世を風靡したものだ。
 藤川さんは確か高卒だったと思うが頭もいい。それは、彼が出ていたNHKのスポーツニュースの解説で証明済みである。
 彼は饒舌なので、ペラペラ喋る。投手心理などもよく聴いたが、投手の心理については、「1日の空白」投手の江川卓さんも素晴らしかったが、藤川さんも負けなかった。
 さて、そろそろオープン戦開幕である。
 2月22日(土曜日)から3月23日(日)まで、もう来週である。待ち遠しい。
 今年は東京ドームで大リーグの開幕戦が行われるが、それに先立ってわがオープン戦だ。
 仲良しの巨人フアンは坊やを連れて開幕戦に行く。抽選が当たったのだ!
 羨ましい。
 3月15日の大リーグ開幕戦について、入場料を聞いてびっくり。正規の値段は知らないが、闇の値段はつりあげられていて、外野の外の方でも1席が70万円にもなるとか。うえー。バブルだ。
 わが家でのテレビ観戦の方がずっとマシ(笑)。
 今年は巨人の菅野さんがアメリカに行っちゃったし、DeNAの今永さんは既にいないし、わが阪神もチャンスである。
 監督は鋭い藤川さんになったし、世界野球で4番を打った森下翔太くんも成長したし、才木浩人さんはじめ先発陣があまり欠けていない。
 こら、大器だ大器だと言われながら、物足りない佐藤輝明くん、今年こそは打ちまくって。
 小柄だけど抜群の切り込み隊長・近本光司さんと中野拓夢さん。
 FAでビクビク心配した大山悠輔さんも残ってくれたし、今年こそは優勝だ。
 絶対に優勝だ!
 優勝だ優勝だ、わが愛する阪神タイガース。
 秋にバンザイしようね。(2025.2.12.)。
                         (無断転載禁止)