新しい遠眼鏡の第4弾です。
④ 久しぶりに関西に行ってきた。インバウンドの真っ最中に出かけるバカと思いながら、予想通りホテルには足元を見られて、ぼられそうになった(笑)。
京都駅にくっついているGホテルは昔からの馴染みで、コロナの時にわざわざ、「いらっしゃいませんか」とお誘いのメールをいただいた仲である。
それなのに、今回急に思いついて電話を掛けたら、
「はい、1泊10万円でお取り出来ます」だと。高過ぎる!
慇懃にお断りして、同系列の大阪梅田のホテルに電話すると、その半分で予約できたのである。
長兄の孫で仲良しの青年にメールしたら、「インバウンドですな」だって。
彼は京都人だから詳しいのである。
「日本にはハイエンドのホテルがないと言われて、高めの設定のホテルが京都は増えたとか聞きました」と続く。
実家のお墓が五条坂の東山浄苑にあるので、西の方に行く時には、必ず墓参に行く。
今回もタクシーに乗ってお参りに行ってきた。ぐるっと回ってきて5,400円。
あの美しい東山浄苑に、実の両親と長兄夫婦と、筆者が生まれるはるか前に、幼児で亡くなった顔も知らない兄弟たちが眠っているのだ。
13時過ぎに着いた京都駅周辺は、思ったより人が多くなく、外国人と日本人が半々。
取り敢えず駅中の土産物屋に飛び込んで、友人たち複数に『古都の秋』なる生八つ橋を贈る手配をした。
中略。
大阪までは途中下車の新幹線はやめて、JR電車の特急で大阪駅に着く。
電車の中で座った席のトイメンに、色が少し浅黒いアラブ系(?)の若い女性が2人座っていた。カラフルでお洒落な洋服を着ていて、筆者は「へーえ」と思った。
昔は圧倒的に背の高いアングロサクソン系の白人と、東南アジア系が多かったが、近頃は黒人の家族連れが目立つようになってきた。
時代が変わったとつくづく思う。
わが東京の町の駅前にも、黒人がレストランを経営している店がある。
トイメンのお嬢さんたちは、遥かアフリカか、中近東から、遠い遠いわが国へ観光に来たのだろうかと興味がわくが、流石に話しかける勇気は出なかった。
2人でヒソヒソ話している言語が何語かわからなかったからだ。
梅田の地下街は数年ごとに行く度に変わっていて、困る。
大丸の横から入る道を真っすぐに行って、ようやくGホテルに直通のエレベーターが見つかり、19階がGホテルのフロントである。
昨年は従姉妹と一緒に阪神タイガースの御堂筋パレードを見に来て、御堂筋のド真ん中
の超高層ホテルに泊まったが、今年はDeNAにやられたのでパレードは見ない。
さて、翌日は旅行目的の都心に出かけた。
環状線の森ノ宮駅から10分、壮大なカトリックの総本山、カテドラル聖マリア大聖堂に近い玉造の静かな住宅街に、3歳年上の次兄の家がある。
この大聖堂には兄嫁のお父様が属していらした。
つまり、昔、長崎から大阪の都心に移住してきた一団のクリスチャンの末裔だったのか?
聞きそびれたが。
次兄はほんの数年前に亡くなったが、筆者は今回で3度目の訪問である。
残された兄嫁とは昔から仲がいい。
甥っ子一家も長く東京の光が丘に住んでいたし。
中央区の名前が示す通り、ここはド真ん中の都心部、関西には縁の薄い筆者が、なぜかこの都心地域だけは仕事でよく来たのである。
大阪城には縁がなかったが、NHKの他に読売テレビがあって、何度も来たのだ。
読売テレビが若手の脚本家を育てる意図で、脚本を公募していた。
選考委員は有名なテレビマンの藤本義一さん。
われわれ仲間は「義いっちゃん」とお呼びしていた。
彼が阪神淡路大震災の時に、大新聞にお書きになった印象的な文章を、筆者は自分のコラムに引用したことがある。
『大震災が起きる前に、何匹もの犬が、揃って大阪方面に歩いて行った』というものだった。読んでいてゾッとしたのである。
もう1人は内館牧子さん。
局側からは演出家の鶴橋康夫さん。他に関西の先生と 筆者、全部で5人だった。
侃々諤々議論して、脚本を選び、時間が長引いて、
「最終の”のぞみ”に間に合わないよ!」と怒鳴り合いながら、読売テレビの局社から、内館さんたちとタクシーで新大阪駅まで、何度ぶっ飛ばしたことか。
関西の先生のその後は存じ上げないが、藤本義いっちゃんも亡くなり、内館牧子さんも亡くなり、大の仲良しだった鶴ちゃん、こと、鶴橋康夫さんも亡くなり。
残っているのは筆者だけなのだ。
寂しい。
テレビ界の凋落と共に、キラキラしていたテレビマンたちの寿命も尽きてゆくのか。
少なくとも筆者は、近頃、テレビで見るのはNHKニュースと、TBS の『報道1930』と、『映像の世紀』や『未解決事件』などの硬派のドキュメンタリーが多く、ドラマは全く見なくなった。
他には『羽鳥モーニングショー』(テレビ朝日)やスポーツの生中継ぐらい。
われながら批評家落第だと思う。
SNSまみれの現代に、テレビはどこへ行くのだろうか。(2026.10.29)。
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