「セ・パ交流戦が終わってみると、阪神タイガースの貯金がガタヘリになった」

 巨人は交流戦に強い。
 今回も優勝かと思ったら、最後に来て2連敗、しかも僅差の試合で勿体なかった。
 雨天で出来なかった試合が2つ残っているので、まだ優勝チームはわからない。
 わが阪神タイガースはどうも交流戦に弱い。
  今回だって沢山あった貯金が減りまくって、2位の横浜DeNAベイスターズに2.5ゲーム差まで迫られている。
 わが家に出入りしているU青年は物凄い巨人フアンであるが、仕事で車を運転中に、四六時中プロ野球中継を聴いているので、阪神の情報にもめっぽう詳しい。
 彼が言うには、「ペナントレースに戻れば大丈夫ですよ」だそうだ。
 筆者も考えるに、交流戦で巨人が強いのは、1つ理由がある。
  何しろ巨人は球界の盟主で、個人に例えれば大スターであり、東京ドームという聖地がホームである。
 だから、いつもは巨人と試合をしないパ・リーグ側の選手にしてみれば、超満員の東京ドームで当チームと試合をすることに、何とはない高揚感があり、浮足立ってしまうのではなかろうか。
  勿論、昔と違ってパ・リーグも人気は出てきたが、テレビ中継も巨人は別格で、スカイとかもろもろの有料チャンネルに入っていない人には、巨人戦しか見られない時もある。
 巨人が強い交流戦に対して、阪神は弱い。本当に弱い。今回もジンクス通りだった。
 何がハラハラしたといって、WBCでもちゃんと抑えていた湯浅京己(あつき)くんが、9回に出てきてポカスカ打たれた。
 例えば、6月15日(木)の試合である。
 甲子園でのオリックス対阪神の試合で、ピッチャーは先発がオリックスは山岡投手で、阪神は伊藤将司くんであった。伊藤くんはよく抑えるピッチャーなのに、何度か後続が打たれて勝ちを消されて気の毒である。
 オリックス対阪神は『関西ダービー』と名付けられているらしい名勝負である。
 われわれ東京人には、もひとつピンと来ないけれど。
 この日は4回にオリックスに1点先制され、その裏に投手の伊藤くん自らが、ランナー2、3塁でタイムリーを打って2点取り、逆転した貴重な勝ちゲームだったのであるが・・・。
 1対2で阪神がリードしていた9回表である。
 伊藤将司くんの後は、中継ぎの岩崎優投手がピシャリと押さえて、さあ、9回。すんなりと2アウトまで来た。
 超満員の甲子園球場は「あと1人、あと1人」コールがこだまする。
 しかし、筆者はなんとなく不安がよぎり、いたたまれなくなっていた。
 理由は思いつかない。なんとなく、なんとなく、である。
 湯浅くんがちょっと体調を悪くしていたのも1つの理由である。
 予感は見事に的中した!
 オリックスの4番打者・頓宮裕真選手、彼は打率がパ・リーグトップだから、いやあな気持ちだったのだが、湯浅くんの落ち損ねたフォークをものの見事にホームランして、ダイヤモンドを意気揚々と一周したのである。
 この1点で2対2となり、可哀想に伊藤くんの勝ちは消えた。
 ただし、9回裏がまだあるから、同点止まりならばまだよかったのだ。
 その次に5番のデカおじさん、杉本裕太郎選手が出てきたのだが、彼は登場した時から相手を飲み込む迫力があった。何しろ彼は体もタテヨコ共にデカい。
 またまた、湯浅くんの初球をズドーン!!!
 特大のホームランだった。第10号。
 その後のシーンが忘れられない。
 右にはバットを高々と垂直に立てて喜ぶ杉本選手!
 左の手前には地面に膝をついてくず折れた湯浅くんの姿。まるで、野球マンガの1場面のような構図であった。筆者は思わず目をつぶったのである。
 あーあ、今年の交流戦でも、阪神タイガースは優勝できなかった。
 かくして、関西ダービーは阪神の負け越しである。最後の相手、ソフトバンクにも阪神はやられて、どうも交流戦には弱い。何とかしてくれ。
 ところで、有名人に阪神フアンが多いのだが、テレビは持っていない、ラジオを1日中聴いているという親友がいる。Gさんという。
 筆者が余りにもタイガースの試合結果に一喜一憂するので、Gさんまでが、近頃、阪神の話題をラジオで仕入れてくれるのである。
 それによれば、日ハムの新球場・エスコンフィールドに、阪神フアンの有働由美子さんがわざわざ仕事の合間に時間を作って見物に行ったそうだ。
 筆者もあの球場に行ってみたいが、何時行けることやら。
 ラジオと言えば、辛坊治郎さんの生放送もGさんに教えてもらってよく聴く。
 何を隠そう筆者は辛坊治郎さんの大フアンで、昔々、週刊誌の連載で書いたことがある。
 区がもっている公共ホールに、辛坊さんが講演にいらした時に、よほど尋ねてみたいと思ったが、肝心の時には引っ込み思案の筆者は実行できなかった。
 辛坊さんはプロ野球のどのチームがお好きなのだろうか。
 さて、いよいよ23日から後半戦に突入する。
 阪神の相手は横浜DeNAベイスターズである。おっかない。今のベイは打線が絶好調なので侮れない。リーゼント三浦監督が、交流戦の間も自信満々であったし、宮崎さんや牧さんなど、何となくひ弱な感じのタイガース選手に比べたら、オッサンみたいな迫力選手が多い。どうかお手柔らかに願いますよ。何しろ2.5ゲームなら、3たてを食らったら、忽ち首位が逆転するもんな(笑)。ああ、縁起でもない!(2023.6.20.)。
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