「毎日の硬派な番組・・・『報道1930』と、日曜日の『サンデーモーニング』の人々、万事不器用で不細工なTBSの中で、視聴する気を起こさせる方々である」

   

 なぜかTBSはダサい。
 今は在局していらっしゃるかどうか知らないが、昔々、この局の有名な偉い人から呼び出されて、赤坂の某ホテルで話をしたことがある。
 「わが社についてどう思われるか。何故か人気が出ないのだが、理由を知りたい」とその偉い人が尋ねたので、筆者はこう答えた。
 「今は知りませんが、東大ばかり取るからですよ」と。
 すると、彼は、「今でも東大卒をよく取るんですよ」という。
 筆者が大学を出た年なんか、新卒の採用がとっくに終わっている頃になって、また東大の女子学生を採用した。大昔の話である。
 筆者はTV批評を長く書いているが、「TBSはダサい」という感覚は今も代わっていない。よく言えば「真面目を絵に描いた」風、悪く言えば「くそ真面目の2乗で面白味に欠ける」。
 だから、TBSにチャンネルを回すのは、『サンデーモーニング』と『日曜劇場』だけ。
 いやいや、もう1つあった。それはBS-TBSの『報道1930』である。
 『日曜劇場』については『キャスター』を取り上げたのでパスする。
 『サンデーモーニング』については、以前、関口さんが司会者の時に週刊誌の連載で取り上げたら、その後、何かで彼にお目にかかった時に、凄く皮肉な笑顔で笑われた。
 今は膳場貴子さんが司会者である。
 この方は若くて他局にいらした時、ツンとして「やっぱり美人はお高くとまっているな」と思っていたが、この番組では物凄く感じがいい。
 中年になって落ち着いた上に、美人は美人で、笑顔が素敵である。彼女なりに苦労してきたのであろう。声もアルトで聞きやすいし、ド真ん中に座って悠然と裁く力がある。
 だから、毎週日曜日に、ガンコに見ている。
 プロ野球マニアだから、後半の「喝」「あっぱれ」のスポーツコラムを見るためでもあるが、お歳を召して首になった(?)野球人おじ様の辛口が面白かった。
 昔と異なり、駒田健吾さんという男性が横に座っているのは、膳場さんだけだと頼りないと思われたのか、ジェンダー時代だから、逆に女だらけはまずいと思っているのか。
 1つ疑問なのは、コメンテーターのボス的存在だった左端の男性が、近頃は松原耕二さんばかりなのは、なんで?
 舌禍事件で物議を醸した青木理さんが、近頃出ないのはつまらない。
 コメンテーター陣にやたら知らない若い女性が多いのは、ジェンダー時代を意識してのことなのか。
 寺島実郎さんや元外務事務次官の方など、初老の実力者の人々に、もっと出演してもらいたいと思うのは筆者だけだろうか。
 ナントカ世代に媚びるのはいい加減にしてもらいたい。
 さて、サンモニでも毎回左端に出演している松原耕二さんが、編集長と呼ばれている『報道1930』を、筆者は毎日毎夜視聴している。
 いかにもこの局らしいくそ真面目番組だが、そこがいい所でもある。
 最近では、19日の月曜日の出演者は司会が松原耕二さん。
 この日のレギュラーでコメントするのは、元新潮社だった堤伸輔さん。彼は白髪を染めたナ(笑)。
 トランプとプーチンのテーマに沿ったコメンテーターは、倉井高志さん、兵頭慎治さん、小谷哲男さんの3人。
 兵頭さんは50代と若いのに、ロシアとか軍事とかの問題だと必ず出てくる人。語り方が淀みなくて感心する。
 20日の火曜日は薬価問題で、お医者様の松本哲哉さんと、東洋大学の横江公美さんがゲストであったが2人ともなかなかよかった。
 横江さんはいかにも大学の先生っぽい方であるが、見識があって話も上手かった。
 特にアメリカのめちゃ高い薬の値段についての話が、なるほどと思えて勉強になった。
 さて、本日(21日、水曜日)は年金問題である。
 司会は松原耕二さん、ゲストは田村憲久さん、長妻昭さん、八代尚宏さんの3人。
 最初のニュースは勿論、失言大臣の江藤拓さんの辞任問題であったが、年金問題では議論が白熱した。
 筆者は長妻昭さんのフアンであって、以前、彼が関係した人の講演会でしげしげと観察させていただいた。テレビと違って、ナマ長妻さんは色白で物腰柔らかくて驚いた。
 テレビで見る氏は、如何にも迫力ある闘争的な野党の人という感じだったが、ご本人は洗練された知識人という物静かな感じだった。
 テーマの年金については腹が立つので、語りたくない!!!
 『報道1930』のライバル番組であるBS-フジの『BSフジLIVEプライムニュース』にも触れると。
 気の毒にもフジテレビは色々とついていない。
 『プライムニュース』でも、番組の顔であった男性ボスの反町理さんがパワ

ハラで消えた。彼は出演している時から「エラソー」な人であったから、地が出たのだ。
 21日水曜日の内容では、司会が竹俣紅さんと梅津弥英子さんの女性2人。
 この日のゲストは朝日新聞記者の駒木明義さんと、早大教授の中林美恵子さんの2人。
 後で加わるのは藤和彦さんと田中浩一郎さん。
 テーマは「米×露×中東の思惑は?」であったが。
 申し訳ないが、司会の2人、与えられた質問事項の丸暗記みたいな雰囲気で、右手を敬礼みたいに振り上げる、『報道1930』の自信たっぷり松原耕二さんには、とてもとてもかなわないと感じたのである。(2025.5.21)。
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