「プロ野球ドラフト会議、伝統の一戦、巨人×阪神戦は、巨人の勝ち!」

 2022年10月20日、夕刻・午後5時から行われたプロ野球のドラフト会議中継を、楽しみに見た。残念だったのは、コロナ禍で、従来の様なパーティー形式ではなかったことだ。
 各球団の監督が1人ずつ呼び出されて、廊下で90度曲がり、歩いてカメラの方に来る。
 会場は広い場所ではなくて、細長い部屋の真ん中に長い机があるだけ。
 その両側に各監督が並んで座る。
 ドラフト会議は当年の順位の逆からクジ引きが始まるので、最初に北海道日本ハムファイターズのビッグボスこと・新庄剛志監督が出てきた。やっぱり、おしゃれである。黒シャツにグレーのスーツ姿、金縁の(伊達?)めがね。 時に5時5分過ぎ。
 ② 中日ドラゴンズの立浪和義監督入場。お地味だ。新庄さんの真反対。
 ③ 千葉ロッテマリーンズ。吉井理人監督入場。彼は白髪を染めてもいず、自然のままだったが、背がスラリと高く、姿勢がよく、12人の内で最もカッコよかった。
 ④ 広島東洋カープの新監督・新井貴浩監督入場。出ました! 弱冠45歳。私は彼が阪神タイガースにいた時に、何度か明治神宮球場に見に行った。丁度、阪神の選手たちが試合前の練習をする時に、たまたま、かぶりつきの最前列に座ったので、選手たちがよく見えたのである。
 中に1人、スラリと背が高く、お尻が上の方についている誰かが見えて、そのセクシーなお尻に見とれていたら、あらら、こっちを向くと、その人は新井さんだったのである。私はそのお尻のフアンになった。ずいぶん昔のことである。その後、主(あるじ)は広島カープに帰っちゃった。今度はカープのボスだ。待っていろ。来年はやっつけるぞ(笑)。
 ➄ 東北楽天ゴールデンイーグルスは石井一久監督が入場。石井さんと言えば、今や楽天のGMまでやっているお偉いさんであるが、私の中ではまだ、西武ライオンズで投手をやっていた「トボケタお兄さん」の思い出が多い。いつも優しくてふにゃふにゃしていた人だ。
 ⑥ 読売ジャイアンツの原辰徳監督入場。一気に若い監督たちが増えた今年の中で、阪神の岡田さんと原さんは共に60代である。原さんは吉井さんの反対で、髪を黒々と染めて入っていらした。CSにも出られなかった今年、原さんがどんなお顔でいらっしゃるかと注視していたが、堂々としていて、流石は球界の盟主のボスである。
 ⑦ 埼玉西武ライオンズの松井稼頭央監督入場。「稼ぎ頭」とは物凄い名前だと、昔から一発で覚えた人で、GMをやっている渡辺久信さんと同様に、かつての西武黄金時代のメンバーとして忘れられない人である。気に入らないのは西武ドームがスポンサー名になって、ベルーナドームだって。ピンと来ない。
 ⑧ 阪神タイガースは新監督の岡田彰布さんが入場した。紺系の背広の方が多い中で、岡田さんは上下がグレーの背広である。何となくヨタヨタしていらして、心配になった。でもこの方は見かけと違って、内面は一家言ある強い人だから、来年が楽しみである。
 ⑨ 福岡ソフトバンクホークスの藤本博史監督入場。悪いけど、私が最も苦手とするチームで、藤本さんのこともさっぱり知らない。ごめん。そもそも、前身の南海ホークスのことも全く無関心だったので、同じ関西圏なのに阪神タイガースには熱狂して、南海には無関心とは、我ながら人間の好き嫌いはヘンだと思う。但し、わが甥っ子に言わせれば、阪神タイガースは関西のチームではなくて、「あれは神戸です」と言う。なるほど、私も大昔、神戸にいたことがあったからネ。我ながら、ヘンな屁理屈です。
 ⑩ 横浜DeNAベイスターズの三浦大輔リーゼント監督入場。CSでは阪神タイガースがやっつけた。マスクをしていたので表情はあまりよく見えなかったけれど、べらんめーで怒鳴りたいのを我慢して、端正な発言に終始した大輔さん、とても悔しかったと思う。
 ⑪ オリックス・バファローズの中嶋聡監督入場。この方のことはさっぱり知らない。オリックスと言えば、私の中では万年負けてばかりというイメージであったが、近頃は強いのなんの。いつの間にか常勝集団になっちゃった。山本由伸投手、吉田正尚さんたちが凄い。
 ⑫ 東京ヤクルトスワローズの高津臣吾監督入場。忌々しいが、頭のよさそうな監督で、今年の日本シリーズも何だか勝ちそうである。私はまだ子供ちゃんみたいな56号ホームランの村上宗隆くんが苦手である。なぜなら、彼は無邪気で、ヒットやホームランを打った時、まるで幼児みたいによだれを流さんばかりに笑うのだ。相手チームの痛みが倍加する。
 さて、17時12分。1巡目の指名で右腕投手の荘司康誠選手(立教大学)に楽天とロッテが競合した。また、高校の強打者、浅野翔吾選手(高松商業高校)に巨人と阪神が競合した。
 クジ引きである。
 巨人の原さんと阪神の岡田さんが箱の中から籤を引いてから、前に出た。
 係りの人が封筒を開けて、中から2つ折りの紙を出す。
 原さんが右手を上げて当選をアピールした!
 籤運が悪かった原さんは、こう言った。「靴も新しいのに替えてきた。道順も替えてきました。意中の選手を獲得したのはよかった。大手を広げて迎え入れます」だって。
 原さんは籤を引いた時から、顔が次第に赤らんできて、マスクを取ってコメントする時には、まるで茹でだこみたいに真っ赤っ赤。引き当てたのがよほど嬉しかったのか、年季の入った監督にしては凄い興奮状態であった。声が裏返っていたよ。
 ドラフト会議での巨人×阪神戦は、かくして、巨人の勝ちー―――。
 岡田さんは外れ1位で中央大学の外野手、森下翔太くんを指名した。浅野くんも名前は翔吾、森下くんも翔太。どうも翔の字がお好きなようである。
 高松商高の浅野翔吾くんには中継が出ていて、彼が挨拶した。「有難うございます。ほっとして嬉しかった。巨人の印象は球界を代表する選手が多いので学びたい。自分は身長が小さい(171cm)けれど、小さい人にも夢を与えたい」と。
 まだ、たった17歳のガキんちょ(失礼)の答えにしては大人びている。
 フアンの多い巨人に入って、潰されなければいいけど。
 ところで、岡田彰布さん!
 来年こそは、優勝してくださいよ! 待ちくたびれた!(2022.10.21)
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