「38年ぶりにアレをやり遂げ、流行語大賞でもアレを当選させ、岡田彰布氏のアレ・アレ・アレ教、すべて成就! アレアレアレアレアレ―ッ」

 12月からNHKのBSで、BS1とBSプレミアムが一緒になってBSになったと、盛んに宣伝しているが、どういうことだかさっぱりわからない。
 要するに、波が多すぎるので減らせ、とどこかから圧力がかかった結果なのか?
 筆者は地上波が余りにもつまらない番組が多いので、年がら年中、BS番組を見ている。
 NHKに限らず、民放でも地上波よりもBSを選択することが多くて、特に平日は『報道1930』(TBS)を毎日見ている。
 司会の松原さんとか、ご常連の堤伸輔さんのお顔はすっかりおなじみである。
 近頃、パックン(パトリック・ハーランさん)が時々現れる。
 そのBSで、お気に入りの番組を見つけた。
 NHK BSの番組だ。
 12月1日に放送された「スポーツ×ヒューマン」(22:40)、『岡田阪神の哲学に迫る』である。
 45分間、知っている事実が多かったが、改めて、阪神タイガースの岡田彰布監督にインタビューしていて、「おーん」節(笑)も聞けて大満足であった。
 フィックスして今期4番に定着していた大山悠輔くん、恐怖の8番・木浪聖也くん、ヘッドコーチの平田勝男さんなどからも、きちんと会話を引きだしている。
 聖也くんは監督からの指示以来、つなぎ役に徹すればいい、とわかるようになったという。
  確かに筆者も何度か体験したのは、彼の前にランナーが出ていて、2アウトで、彼が打たなきゃお終いという時に、贔屓の引き倒しで、「おい、聖也、恐怖の8番ならここで打って点を入れろ」と画面にハッパをかける。
  だが、内心、そんなにうまくいくわけがないと思っている。
  ところが、打率のいい木浪くんは、ウソみたいにタイムリーを打ってくれるのだ。
  こういうことは何度もあった。打率が高いのは伊達じゃない。
  彼は優しい顔をしていて、とても「恐怖の」面ではないのに、2ナッシングの次に、大抵のバッター(特にサトテル君)は思った通り3振するのに彼はちゃんと打つ。得難いバッターである。来年も頑張ってね。
  1年間に何度も報道で読んだのは、阪神の岡田監督は4球をヒットと同じに扱うという。つまり、出塁するわけだから、4球を選んだバッターの成績査定評価にポイントをアップしてあげるのだ。
  ヘッドコーチの平田勝男さんが顔出しで証言したのは、「4球の評価を上げるために、フロントに査定ポイントをアップするよう掛け合った監督は初めてだ」そうである。
  へーえ、と筆者は驚いた。
  監督は選手たちの安打数や4球選びなど、査定をいちいちフロントに進言するのかと初めて知ったのである。プロは厳しい。
  岡田さんが今期、みんなに言っていたことは「普通にやればいい」ということ。自分の定位置で常に練習していることを、普通に確実にやればいいというのだ。
  彼は中野拓夢くんをセカンドにコンバートした。2塁はショートよりも1塁に近い。何度も画像が出たが、中野くんがゴロを掴んで1塁でバッターを殺すのは確実に見える。
  ショートは肩のいい木浪くんである。中野くんは背もちっちゃいし(と言っても普通人よりは大きいが)、セカンドの方が守り易そうである。シリーズでは痛いエラーもしたが。
  加えて、1塁の大山くん、3塁の佐藤輝明くんもしっかり固定した。この2人、岡田さんになる前は外野も守っていたりした。日替わり? 素人の筆者が見ても、ポジションを固定すれば体の動きが慣れて滑らかになるのは当然であろう。
  普通の通りに試合をして、常に慣れたポジションで頑張る。今年の阪神タイガースが勝ちまくったのはムベなるかなと思う。
  映像では岡田彰布さんの若き日の活躍ぶりも出た。
  早稲田大学のスター選手で、ドラフトでは1位指名だったそうだ。当時の映像では勿論お顔に皺もないし、若々しいが、今のドラフト1位の選手たちよりも老成した感じである。
  さて、話替わるが、今年の流行語大賞には、岡田さんの「アレ」が選ばれた。
  リーグ優勝はするし、シリーズではオリックスに勝って日本1にはなるし、勢い余って「アレ」まで大賞をとっちゃった。
 早速、デイリースポーツ新聞を買いに行くと、1面から吹き出してしまった。
  『18年ぶりA.R.E.!!38年ぶりA.R.E.のA.R.E.
   猛虎に沸いた23年
  最高のフィナA.R.E.』だと。
  岡田さんは授賞式で、「勝利監督よりうれしい」だって。そんなはずないだろ。
  真ん丸の可愛い顔で豪華な置時計を抱いて笑っていた。
 勝てばみんな褒める。当番組でも岡田さんを称賛しているが、彼の60代半ばにしては深い顔周りの皺は、やはり人気チームを率いる監督の重圧が、いかなるものかと思わせる。
  筆者の近くにいる猛烈な巨人フアンの男性(1度書いた出入り業者の方とは別人)が、憤懣やるかたないという風情で、「原監督が辞めないと私は応援できない」と言っていた。
  原さんも岡田さんに近い高齢になったので、巨人フアンにも少々飽きられてきていたのだろうが、交代した新監督が阿部慎之助さんとは!
  筆者は阪神フアンであるだけに、典型的なアンチ巨人だったけれど、不思議に大昔から、阿部慎之助くんだけは大好きなのである。頭がよさそうで、あの笑顔が磊落なのだ。
  だから、この前、気の早いことに巨人フアンの男性と、来年の開幕戦が「巨人対阪神」だから(!)盛り上がった。しかも、東京ドームでだって。
  ヤバい。岡田さん、それ以上お年を取らないでね。ムリか(笑)。
  どっちも頑張れ。(2023.12.2.)。
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